次の文を読み、問いに答えよ。Aちゃん(1歳9か月)は両親と保育所に通う姉のBちゃん(3歳)と4人で暮らしている。Aちゃんは重症の仮死で出生し、cerebralpalsy脳性麻痺と診断されている。食事、排泄、更衣は全介助である。食事はきざみ食を摂取しており、浣腸によって2日に1回排便がある。Aちゃんは全身の筋緊張が強く、肘関節と手関節は屈曲し、両下肢が交差し伸展する姿勢が多い。声かけやタッチングで笑顔がみられるが、発語はない。Aちゃんは月2回の外来受診をしており、受診の際に母親が看護師に「Aは食欲がありますが、時々むせてしまいます。日中は機嫌よく過ごすことが多いのですが、手足を突っ張らせて背を反り返ることがあり、夜眠らないことが時々あります」と話している。
A ちゃんは2 歳2 か月になった。現在まで療育は受けていない。母親は、訪問 看護師に「A の発達を促すような場所に通いたいのですが、誰に聞くと紹介してく れるでしょうか」と質問した。 訪問看護師がA ちゃんの母親に紹介する者として最も適切なのはどれか。
公式正答:2
解説
発達を促す場に通いたいという2歳2か月の脳性麻痺児の母親に、紹介する相談先を問う。相談支援専門員である。
この問題で問われていること
障害児の福祉サービス利用の仕組みと、その窓口を知っているか。
しくみから理解する
児童発達支援などの障害児通所支援を利用するには、市町村へ申請し、障害児支援利用計画を作成したうえで受給者証の交付を受ける必要がある。この計画を作成し、サービスの選定と事業所との調整を担うのが、障害児相談支援事業所の相談支援専門員である。介護保険における介護支援専門員に相当する役割で、障害児福祉の分野における計画作成とコーディネートの専門職にあたる。したがって、療育の場を探している母親に紹介する相手として最も適切である。
選択肢ごとの確認
地域住民の相談に応じ行政へつなぐ役割を担うが、障害児のサービス利用計画を作成する立場ではない。地域の情報提供はできても、専門的なコーディネートには至らない。
保育の専門職であり、姉が通う保育所との接点はあるが、障害児通所支援の利用手続きやサービスの選定を担う立場ではない。
医学的管理と意見書の作成は担うが、福祉サービスの計画作成とコーディネートは行わない。医師の意見は手続きの中で必要になるが、相談の入口としては相談支援専門員が適切である。
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混同しやすいポイント
高齢者福祉と障害児福祉で、対応する職種と機関が異なる点が要点である。高齢者は地域包括支援センターと介護支援専門員、障害児は障害児相談支援事業所と相談支援専門員、医療的ケア児であれば医療的ケア児支援センターも窓口になる。名称が異なるだけで役割は対応している、と整理すると覚えやすい。
理解を深める
障害児通所支援には、児童発達支援(未就学児)、放課後等デイサービス(就学児)、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援がある。令和6年3月までは児童発達支援が福祉型と医療型に分かれていたが、児童福祉法の改正により令和6年4月から児童発達支援へ一元化された。これらは児童福祉法に基づき、市町村が支給決定を行う。療育を早期に始めることは、運動機能や協調運動の発達を促すだけでなく、家族が同じ立場の親と出会い、情報と支えを得る機会にもなる。この事例のように2歳を過ぎて療育未導入という状況では、早めにつなぐことが望ましい。あわせて、身体障害者手帳の取得、特別児童扶養手当、小児慢性特定疾病医療費助成、自立支援医療(育成医療)といった制度の情報提供も検討する。
間違えやすい考え方
『最も適切なのはどれか』型で、誤肢が実在する関係者で構成されている。『計画を作ってサービスにつなぐ人は誰か』という機能で選ぶ。
5分で振り返る
①障害児通所支援の利用には市町村への申請と障害児支援利用計画が必要。②計画作成とコーディネートは相談支援専門員。③高齢者は地域包括支援センターと介護支援専門員、対応する関係にある。④通所支援=児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援(医療型児童発達支援は令和6年4月に児童発達支援へ一元化された)。⑤療育は早期開始が望ましい。
1分チェック
- 障害児の療育につなぐ相談先は誰か。→ 相談支援専門員(障害児相談支援事業所)。
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