患者が治療について十分な説明を受け、自己決定する権利の行使を支えるのはど れか。
公式正答:4
解説
患者が十分な説明を受けたうえで自己決定する権利の行使を支えるものを問う。インフォームド・コンセントである。
この問題で問われていること
看護でよく使われるカタカナの概念語を、意味で正確に区別できるか。
しくみから理解する
インフォームド・コンセントは、医療者が診断・治療の内容、利益と危険、代替手段、何もしない場合の見通しを患者に分かる言葉で説明し、患者が理解したうえで自らの意思で同意または拒否することをいう。単なる同意書への署名ではなく、説明・理解・自発性・同意能力の4要素がそろって初めて成立する。医療法第1条の4第2項は、医療提供にあたり適切な説明を行い理解を得るよう努める旨を定めており、これが法的な裏づけとなる。自己決定権という患者の権利を、手続として実現する仕組みがインフォームド・コンセントである。
選択肢ごとの確認
援助者と患者の間に築かれる信頼関係のこと。良好な関係は説明の前提として大切だが、自己決定の権利行使を直接支える手続ではない。
相手を気遣い、関心を寄せて関わる看護の基本的な姿勢・態度を指す概念。権利行使の仕組みを表す語ではない。
ストレスに対処するための認知的・行動的な努力のこと。ラザルスのストレス理論の用語で、問題焦点型と情動焦点型に分かれる。
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混同しやすいポイント
4肢とも看護学でよく登場するカタカナ語であり、意味を曖昧に覚えていると選べない。『関係=ラポール』『態度=ケアリング』『対処=コーピング』『権利行使の手続=インフォームド・コンセント』と、それぞれ何を指す語かを1語で対応づける。
理解を深める
関連する概念として、インフォームド・アセント(判断能力が未熟な小児から、発達段階に応じた説明のうえで得る同意)、セカンドオピニオン、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)がある。ACPは人生の最終段階の医療・ケアについて本人・家族・医療者が繰り返し話し合う過程で、厚生労働省のガイドラインでは本人の意思が変化しうることを前提に、話し合いを繰り返すこと、本人の意思が確認できない場合は家族等が推定する意思を尊重することが示されている。看護師には、患者が理解できているかを確認し、迷いを言語化できるよう支える役割がある。
間違えやすい考え方
概念語を問う問題は、意味を知っていれば一瞬で解けるが、雰囲気で選ぶと外す。設問文の『十分な説明を受け』『自己決定』という2語がそのまま定義に対応している点に気づけばよい。
5分で振り返る
①IC=説明・理解・自発性・同意能力の4要素。②法的根拠は医療法第1条の4第2項。③ラポール=信頼関係。④ケアリング=気遣う態度。⑤コーピング=ストレス対処。⑥小児にはインフォームド・アセント。
1分チェック
- 自己決定権の行使を支えるのは何か。→ インフォームド・コンセント。
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