胎児の卵円孔の位置で正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
卵円孔は心房中隔にあいた孔。右心房から左心房へ血液を通し、肺を迂回させる。
この問題で問われていること
3つの短絡路の位置をそれぞれ言えるか。選択肢は他の2つの短絡路の位置も並べてある。
しくみから理解する
胎児では肺が膨らんでおらず肺血管抵抗が高いため、右心房に戻った血液を右心室・肺へ送るのは効率が悪い。そこで心房中隔に卵円孔という孔があり、右心房の血液が直接左心房へ流れる。下大静脈から入ってきた比較的酸素の多い血液が、下大静脈弁に導かれて卵円孔へ向かうように配置されている。出生して肺呼吸が始まると肺血管抵抗が下がり肺血流が増え、左心房へ戻る血液が増えて左心房圧が右心房圧を上回る。すると卵円孔弁が中隔に押しつけられて機能的に閉鎖する。 【接地元】解剖学深掘り編(石川先生・胎児循環の解剖学)、人体の構造と機能 第5版
選択肢ごとの確認
心室中隔に孔があるのは心室中隔欠損症という先天性心疾患であって、正常な胎児にはない。
心房中隔にある孔。
ここをつなぐのは動脈管(ボタロー管)。別の短絡路である。
ここをつなぐのは静脈管(アランチウス管)。肝臓を迂回させる短絡路。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
3つの短絡路の名前と場所を1対1で結べていないと、どれを選んでも一見もっともらしく見える。卵円孔=心房間、動脈管=肺動脈と大動脈の間、静脈管=臍静脈と下大静脈の間、と場所で覚える。
理解を深める
卵円孔は機能的閉鎖のあと、数か月から1年ほどかけて解剖学的に閉鎖して卵円窩になる。成人の約2〜3割では完全に癒合せず卵円孔開存として残るが、通常は左心房圧が高いので血液は流れない。ただし咳やいきみで一時的に右心房圧が上がると右左短絡が生じ、下肢の静脈血栓が脳へ飛ぶ奇異性脳塞栓の経路になり得る。
間違えやすい考え方
同じカテゴリの構造(3つの短絡路)を並べ、位置を入れ替える型。名前・場所・つないでいるもの・出生後の名前を4点セットで覚えれば全部さばける。
5分で振り返る
卵円孔=心房中隔(右心房→左心房)、出生後は卵円窩。動脈管(ボタロー管)=肺動脈→大動脈、出生後は動脈管索。静脈管(アランチウス管)=臍静脈→下大静脈、出生後は静脈管索。いずれも肺と肝臓を迂回させるための短絡で、出生後に不要になり閉じる。
1分チェック
- 卵円孔はどこにあるか
- 動脈管はどことどこをつなぐか
- 静脈管はどことどこをつなぐか
- 卵円孔は出生後に何になるか
この問題に対応する教材の確認中です。