壮年期の身体的変化はどれか。
公式正答:3
解説
壮年期は身体機能が緩やかに下降し始める時期。基礎代謝も柔軟性も調節力も落ちる方向に動く。
この問題で問われていること
加齢による変化の向きを、複数の指標について一度に判定できるか。増えるものと減るものを取り違えていないか。
しくみから理解する
壮年期(おおよそ30〜60歳代)は、社会的には充実する一方で身体機能は緩やかに下降を始める。基礎代謝は骨格筋量の減少に伴って低下する。関節と筋の柔軟性も低下する。眼では水晶体の弾力性と毛様体筋の収縮力が落ちて調節力が下がり、40歳代から老視を自覚する。呼吸機能では肺の弾性が低下し、吐き切ったあとも肺に残る空気の量(残気量)はむしろ増加する。逆に肺活量は減少する。加齢では「弾力性を失って縮みにくくなる」ことが多くの変化に共通している。 【接地元】OpenStax medical_surgical_nursing(aging changes)、ガイトン生理学 代謝率、人体の構造と機能 第5版
選択肢ごとの確認
逆。肺の弾性が低下して吐き切れなくなるため、残気量は増加する。肺活量は減少し、全肺気量はあまり変わらない。
逆。加齢とともに関節可動域も筋の伸展性も低下する。
骨格筋量の減少に伴い基礎代謝は低下する。
逆。水晶体の弾力性低下と毛様体筋の萎縮で調節力は低下し、老視となる。
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混同しやすいポイント
残気量だけが「増える」向きなので混乱しやすい。肺の弾性が失われると、しぼむ力が弱くなって空気が残る、と機序で覚える。加齢では「弾力性が落ちる」が共通の原則で、それが残気量では増加、柔軟性と調節力では低下として現れる。
理解を深める
加齢変化を「増えるもの」と「減るもの」で整理しておくと、この形式の問題に強くなる。増える=残気量、収縮期血圧、体脂肪率、末梢血管抵抗、骨吸収。減る=基礎代謝、肺活量、腎血流量と糸球体濾過量、最大心拍数、筋量、骨密度、皮膚の水分量、唾液分泌、視力と聴力(高音域から)、味覚(特に塩味の感度)。壮年期はこれらの変化が始まる時期で、生活習慣病の発症も重なる。健康診断と特定保健指導がこの年代を対象にしているのは、変化が可逆な段階で介入するためである。
間違えやすい考え方
加齢変化の向きを1肢だけ正しくして並べる型。「弾力性が落ちる」という原則から各指標がどちらに動くかを導く。
5分で振り返る
壮年期=身体機能が緩やかに下降を始める時期。増えるもの=残気量・収縮期血圧・体脂肪率・末梢血管抵抗・骨吸収。減るもの=基礎代謝・肺活量・腎血流量とGFR・最大心拍数・筋量・骨密度・唾液分泌・視力と聴力(高音域から)・味覚(塩味)・柔軟性・視機能の調節力。共通する機序は組織の弾力性の低下。
1分チェック
- 加齢で残気量はどうなるか。なぜか
- 基礎代謝はどうなるか
- 視機能の調節力はどうなるか
- 加齢で増えるものを3つ挙げられるか
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