atrial fibrillation 心房細動について正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
心房細動について正しいものを問う。心房内に血栓を形成しやすい。
この問題で問われていること
不整脈の心電図所見と、そこから生じる合併症を結びつけられるか。
しくみから理解する
心房細動では、心房内の多数の部位から無秩序な電気興奮が発生し、心房全体が協調した収縮を失って細かく震える状態になる。その結果、心房から心室への血液の送り出し(心房収縮による補助、いわゆるアトリアルキック)が失われ、心房内、とくに左心房の左心耳に血液が停滞する。停滞は血栓形成の条件(血流の停滞)であり、ここにできた血栓が遊離すると大動脈を経て脳へ流れ、心原性脳塞栓症を起こす。この塞栓は太い血管を突然詰まらせるため、広範囲の梗塞となり重症化しやすい。したがって心房細動の管理では抗凝固療法が中心的な位置を占める。
選択肢ごとの確認
逆である。P波は心房の協調した興奮を表す波であり、心房細動ではこれが消失して細かい基線の揺れ(f波)に置き換わる。P波の消失とRR間隔の不規則が心房細動の診断の柱である。
逆で、心房の興奮は無秩序かつ不規則である。心房粗動であれば規則的な鋸歯状波(F波)となるが、細動では規則性がない。
房室結節の伝導障害は房室ブロックの説明。心房細動の発生源は心房(多くは肺静脈起源)であり、房室結節はむしろ心房の速い興奮を間引いて心室を守る役割を果たしている。
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混同しやすいポイント
心房細動と心房粗動の混同が典型的な誤り。細動は無秩序でRR間隔が絶対的不整、粗動は規則的な鋸歯状波で伝導比により心室応答が規則的にも不規則にもなる。またP波の有無は両者の鑑別ではなく、正常洞調律との鑑別点である。
理解を深める
抗凝固療法の適応判断にはCHADS2スコア(心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病、脳卒中/TIAの既往)が用いられる。薬剤はワルファリンと直接経口抗凝固薬(DOAC)があり、ワルファリンではビタミンKを多く含む食品(納豆、クロレラ、青汁)の摂取を避ける指導が必要である。抗血小板薬ではなく抗凝固薬を用いる点が重要で、これは静脈系・うっ滞由来の血栓が主にフィブリンで構成されるためである。看護では脈拍の不整(結滞)、動悸、脈拍と心拍数の乖離(脈拍欠損)、出血徴候の観察を行う。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢1・2が正答の裏返し(P波あり/規則的)、誤肢4が別疾患の定義になっている。心電図所見を1つ確実に知っていれば連鎖的に消せる。
5分で振り返る
①P波消失+f波、RR間隔は絶対的不整。②心房収縮が失われ左心耳に血液が停滞。③血栓→心原性脳塞栓症。④治療は抗凝固療法(ワルファリン・DOAC)。⑤ワルファリンでは納豆・クロレラ・青汁を避ける。
1分チェック
- 心房細動で最も警戒すべきことは何か。→ 心房内血栓による脳塞栓。
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