成人の乏尿の説明で正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
成人の乏尿の説明を問う。1日の尿量が400mL以下である。
この問題で問われていること
排尿に関する用語の定義を、量と回数のどちらで規定されているか区別して覚えているか。
しくみから理解する
乏尿は1日尿量400mL以下と定義される。この値には根拠があり、成人が代謝で産生する老廃物を排泄するために最低限必要な尿量(不可避尿量)がおよそ400〜500mLであるためである。これを下回ると老廃物を排泄しきれず、体内に蓄積して尿毒症へ向かう。さらに1日100mL以下を無尿という。逆に1日2,500mL以上を多尿という。これらはいずれも『量』による定義であって、回数による定義ではない。
選択肢ごとの確認
尿勢の異常であり、排尿の性状を表す所見。前立腺肥大症などでみられるが、乏尿の定義ではない。
尿勢低下で、これも排尿の性状の異常。下部尿路閉塞を示唆するが、尿量の定義とは別である。
回数による記述であり定義に合わない。なお頻尿は1日8回以上が目安とされるが、乏尿は回数ではなく量で定義される。
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混同しやすいポイント
『乏尿=あまり出ない』というイメージから、回数や勢いの選択肢に引っ張られやすい。乏尿・無尿・多尿はすべて1日尿量で定義されると押さえる。また尿閉(膀胱に尿が貯留しているのに排出できない状態)と無尿(腎で尿が生成されない状態)は全く異なる病態で、対応も導尿と原疾患治療に分かれる。
理解を深める
乏尿の原因は、腎前性(脱水、出血、心不全による腎血流低下)、腎性(急性尿細管壊死、糸球体腎炎)、腎後性(尿路の閉塞)に分けられる。この分類が治療方針を決めるため、鑑別が重要である。腎前性でも原因は脱水だけでなく心不全などによる有効循環血液量低下を含む。輸液反応性、うっ血、心機能、血圧を再評価し、心不全で機械的に輸液を行わない。腎性・腎後性を含め原因に応じて治療する。看護では、尿量の正確な測定(時間尿の確認)、水分出納バランス、体重の変化、浮腫、血圧、電解質(特にカリウム)の推移を観察する。高カリウム血症は致死性不整脈を招くため、急性腎障害では最も緊急性が高い。
間違えやすい考え方
定義を問う問題は数値の暗記で決まるが、誤肢に『性状の異常』を混ぜることで、定義の軸(量か性状か)を意識しているかを試している。
5分で振り返る
①乏尿=400mL/日以下。②無尿=100mL/日以下。③多尿=2,500mL/日以上。④頻尿は1日8回以上(回数の指標)。⑤尿閉は膀胱に貯留、無尿は生成されない。⑥原因は腎前性・腎性・腎後性。
1分チェック
- 乏尿の定義は何か。→ 1日尿量400mL以下。
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