筋肉内注射を行う部位で適切なのはどれか。
公式正答:1
解説
筋肉内注射を行う部位として適切なものを問う。三角筋である。
この問題で問われていること
注射部位の選定基準(筋の厚さ、神経・血管の走行、安全な範囲の取り方)を理解しているか。
しくみから理解する
筋肉内注射の部位は、十分な筋量があり、主要な神経・血管を避けられる場所を選ぶ。三角筋では、肩峰から3横指下(約5cm)の中央部が注射部位となる。この範囲を守れば、腋窩神経や橈骨神経、上腕動脈を避けられる。少量(成人で概ね2mL以下)の薬液に適し、ワクチン接種で広く用いられる。臀部を用いる場合は、坐骨神経を避けるためクラークの点やホッホシュテッターの部位を用いるが、いずれも中殿筋を刺入部位とする。大腿では外側広筋を用いる。
選択肢ごとの確認
大殿筋の下方には坐骨神経が走行しており、損傷すると下肢の運動・知覚障害を残す。臀部で筋肉内注射を行う場合は大殿筋ではなく中殿筋を選ぶ。
上腕の前面にあり、上腕動脈や正中神経が近くを走行するため筋肉内注射の部位としない。皮下組織も薄い。
大腿の後面にあるハムストリングスの一つで、坐骨神経が近接するため適さない。大腿で用いるのは前外側の外側広筋である。
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混同しやすいポイント
『殿部=大殿筋』という連想が最大の落とし穴。殿部で用いるのは中殿筋である。同様に『大腿=大腿四頭筋のどこでもよい』ではなく、前外側の外側広筋に限られる。部位の選定はすべて『どの神経を避けるか』で決まっていると理解すれば、丸暗記が減る。
理解を深める
皮下注射と筋肉内注射の違いも頻出である。皮下注射は上腕後側やや下方、腹部などに10〜30度で刺入し、吸収は緩やかである。筋肉内注射は45〜90度(三角筋では90度に近い角度)で刺入し、血流が豊富なため吸収が速い。皮内注射(ツベルクリン反応など)は前腕内側にほぼ平行(10度以下)に刺し、膨疹を作る。薬液量の目安、刺入角度、吸収速度をセットで整理する。注射後のもみ方も薬剤により異なり、インスリンやワクチンは揉まない。
間違えやすい考え方
4肢すべてが実在する筋の名称で、解剖の知識がないと選べない。『大殿筋と中殿筋』『大腿二頭筋と外側広筋』という紛らわしい対を意識的に区別しておく。
5分で振り返る
①三角筋=肩峰から3横指下、2mL以下。②殿部は中殿筋(クラークの点・ホッホシュテッターの部位)。③大殿筋は坐骨神経のため不可。④大腿は外側広筋。⑤刺入角度は皮内10度以下・皮下10〜30度・筋肉内45〜90度。
1分チェック
- 筋肉内注射の部位はどこか。→ 三角筋(肩峰から3横指下)。
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