全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。
公式正答:1
解説
全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うことを問う。気道確保である。
この問題で問われていること
緊急時の優先順位をABC(気道・呼吸・循環)で判断できるか。
しくみから理解する
けいれん発作中は、意識が消失し全身の筋が強直・間代性に収縮するため、舌根が沈下し、分泌物や吐物が貯留して気道が閉塞しやすい。気道が確保できなければ換気ができず、低酸素から心停止に至る。したがって救命の優先順位はA(気道)が最上位となり、次いでB(呼吸)、C(循環)の順になる。具体的には、顔を横に向ける(側臥位にする)ことで舌根沈下と誤嚥を防ぎ、分泌物の流出を促す。衣服やベルトを緩め、酸素投与の準備をする。
選択肢ごとの確認
周囲の危険物を除けて外傷を防ぐことは重要であり、実際には気道確保と並行して行う。ただし生命の維持という点では気道確保に劣後する。
抗けいれん薬の投与に必要だが、けいれん中は体動が激しく確保が困難であり、また気道が守られなければ薬剤投与も間に合わない。Cに当たる対応で優先順位は下がる。
モニタリングは重要だが、装着しても呼吸が止まっていれば救命できない。観察の手段であって気道確保に先行しない。
かつては割り箸などを口に入れることが行われたが、現在は禁忌である。口腔内に物を入れると歯の破損、口腔内損傷、それ自体が気道閉塞の原因になる。無理に開口させてはならない。
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混同しやすいポイント
肢5は古い知識が誤りとして残っている典型例で、『咬舌を防ぐために口にものを入れる』は現在では明確に否定されている。また『押さえつけて動きを止める』ことも骨折や脱臼を招くため行わない。けいれん中に行うのは、気道の確保、安全の確保、そして発作の観察(開始時刻、持続時間、けいれんの部位と広がり方、眼球の向き、意識の有無、失禁の有無)である。
理解を深める
けいれんが5分以上続く、または意識の回復がないまま発作が反復する状態はてんかん重積状態と呼ばれ、脳に不可逆的な障害を残すため緊急に薬物治療を要する。発作後はもうろう状態(発作後もうろう)となることがあり、この間は転倒に注意し、静かな環境で回復を待つ。小児では熱性けいれんが最も多く、多くは数分以内に自然に止まる。看護記録には、発作の始まり方(全身か部分か)、持続時間、随伴症状、発作後の状態を具体的に残すことが診断に直結する。
間違えやすい考え方
5肢すべてが実際に行う(あるいは過去に行われた)対応であり、『やってはいけないもの』と『やるが優先順位が低いもの』が混在している。ABCの原則で最上位を選ぶ。
5分で振り返る
①優先順位はABC、気道が最上位。②顔を横に向けて舌根沈下と誤嚥を防ぐ。③口腔内に物を入れない、押さえつけない。④観察は開始時刻・持続時間・部位・眼球・失禁。⑤5分以上または反復はてんかん重積状態で緊急。
1分チェック
- けいれん発作時に最優先することは何か。→ 気道確保。
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