水素イオンが刺激となって感じる味覚はどれか。
公式正答:3
解説
酸味は水素イオンそのものを感じる味。酸っぱいものはすべて水素イオンを出す物質である。
この問題で問われていること
5つの基本味それぞれが何を刺激として感じているかを言えるか。
しくみから理解する
基本味は甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つ。それぞれ刺激となる物質が違う。甘味は糖やその類似物質、塩味はナトリウムイオンなどの陽イオン、酸味は水素イオン、苦味はアルカロイドなどの多様な物質、うま味はグルタミン酸などのアミノ酸。味を受け取るのは舌の乳頭にある味蕾のなかの味細胞で、塩味と酸味はイオンチャネルを介して、甘味・苦味・うま味はGタンパク質共役型受容体を介して感じる。味覚を伝えるのは、舌前方2/3が顔面神経(鼓索神経)、舌後方1/3が舌咽神経、喉頭蓋付近が迷走神経である。 【接地元】ガイトン生理学 第54章 化学感覚:味覚と嗅覚、三年解剖学総まとめ(味覚器・嗅覚器)
選択肢ごとの確認
ナトリウムイオンなどの陽イオンが刺激。上皮性ナトリウムチャネルを通って味細胞を脱分極させる。
糖類や人工甘味料がGタンパク質共役型受容体(T1R2/T1R3)に結合して感じる。
水素イオンが刺激。酸の濃度が高いほど強い酸味になる。
グルタミン酸・イノシン酸などのアミノ酸と核酸関連物質が刺激。受容体はT1R1/T1R3。日本で発見された基本味。
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混同しやすいポイント
「酸っぱい=酸」までは分かっても、その実体が水素イオンであることまで結びつけていないと迷う。酸の定義(水素イオンを出す物質)に立ち返れば確実。塩味がナトリウムイオン、酸味が水素イオンと、イオンで感じる2つを対にして覚える。
理解を深める
味覚は生存に直結する情報として整理できる。甘味=エネルギー源の存在、塩味=電解質の存在、うま味=蛋白質の存在で、いずれも「摂るべきもの」を知らせる。一方、酸味=腐敗や未熟、苦味=毒物の可能性で、「避けるべきもの」を知らせる。だから苦味の閾値は最も低く、ごく微量でも感じ取れる。加齢では味蕾の数が減り、特に塩味の閾値が上がるため、高齢者は濃い味を好みやすくなる。これが減塩指導の難しさにつながる。亜鉛欠乏や薬剤の副作用でも味覚障害が起こる。
間違えやすい考え方
5つの基本味を並べて刺激物質を問う型。味ごとに刺激物質と受容の仕組み(イオンチャネルかGタンパク質共役型受容体か)を対にしておけば確実。
5分で振り返る
基本味=甘味(糖・T1R2/T1R3)・塩味(ナトリウムイオン・イオンチャネル)・酸味(水素イオン・イオンチャネル)・苦味(アルカロイドなど・T2R)・うま味(グルタミン酸など・T1R1/T1R3)。受容器は舌乳頭の味蕾。伝えるのは舌前方2/3=顔面神経(鼓索神経)、舌後方1/3=舌咽神経、喉頭蓋付近=迷走神経。加齢で味蕾が減り塩味の閾値が上がる。亜鉛欠乏や薬剤でも味覚障害。
1分チェック
- 基本味は5つ言えるか
- 酸味と塩味の刺激物質はそれぞれ何か
- 味覚を伝える3つの脳神経は何か
- 加齢で最も閾値が上がりやすい味は何か
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