Epstein-Barr〈EB〉ウイルスが発生に関与しているのはどれか。
公式正答:4
解説
EBウイルスが発生に関与している悪性腫瘍を問う。上咽頭癌である。
この問題で問われていること
発癌に関与するウイルスと腫瘍の対応を覚えているか。
しくみから理解する
EBウイルス(Epstein-Barrウイルス)はヘルペスウイルス科に属し、Bリンパ球や上皮細胞に感染して潜伏する。ほとんどの成人が既感染で、初感染が思春期以降だと伝染性単核球症を起こす。潜伏感染した細胞では、ウイルス遺伝子が細胞の増殖と生存に関わるシグナルを持続的に活性化するため、一部で発癌に至る。EBウイルスが関与する腫瘍には、上咽頭癌、Burkittリンパ腫、Hodgkinリンパ腫、移植後リンパ増殖性疾患、胃癌の一部がある。
選択肢ごとの確認
主な危険因子は喫煙、飲酒、不適合な義歯や齲歯による慢性的な機械的刺激である。近年はHPVの関与も指摘されるが中咽頭癌が中心で、EBウイルスではない。
喫煙が最大の危険因子で、飲酒も関与する。EBウイルスとの関連は確立していない。
日本では扁平上皮癌が多く、喫煙と飲酒(とくにアルコール代謝能が低い体質での飲酒)が主要な危険因子である。バレット食道からの腺癌は胃食道逆流症が関与する。
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混同しやすいポイント
発癌ウイルスは対応を丸ごと覚える。EBウイルス=上咽頭癌・Burkittリンパ腫、HPV=子宮頸癌・中咽頭癌、B型/C型肝炎ウイルス=肝細胞癌、HTLV-1=成人T細胞白血病、ヒトヘルペスウイルス8=Kaposi肉腫、ヘリコバクター・ピロリ(細菌)=胃癌・MALTリンパ腫。上咽頭癌は東アジアに多く、遺伝的要因と塩蔵魚などの食習慣も関与するとされる。
理解を深める
上咽頭は鼻腔の奥にあり、症状が出にくく発見が遅れやすい。初発症状は頸部リンパ節腫脹(頸部腫瘤)であることが多く、ほかに鼻出血、鼻閉、耳管の閉塞による滲出性中耳炎(片側の難聴・耳閉感)、脳神経麻痺(複視など)が現れる。成人で片側性の滲出性中耳炎をみたら上咽頭の病変を疑うのが原則である。治療は放射線治療が中心で、化学療法を併用する。放射線照射により口腔乾燥、味覚障害、粘膜炎、皮膚炎、晩期には開口障害や齲歯が生じるため、治療前からの口腔ケアと歯科受診が重要になる。
間違えやすい考え方
ウイルスと腫瘍の対応を問う型で、頭頸部の癌を並べているため部位では区別できない。対応表を持っているかだけで決まる。
5分で振り返る
①EBV=上咽頭癌・Burkittリンパ腫・Hodgkinリンパ腫。②HPV=子宮頸癌・中咽頭癌。③HBV/HCV=肝細胞癌。④HTLV-1=成人T細胞白血病。⑤H.pylori=胃癌・MALTリンパ腫。⑥上咽頭癌の初発は頸部腫瘤、成人の片側滲出性中耳炎で疑う。
1分チェック
- EBウイルスが関与する癌は何か。→ 上咽頭癌(およびBurkittリンパ腫など)。
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