クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
公式正答:3
解説
クリティカルシンキングの思考過程として適切なものを問う。患者の情報を根拠に基づいて解釈することである。
この問題で問われていること
クリティカルシンキングが何を指す思考であるかを理解しているか。
しくみから理解する
クリティカルシンキングは、情報を鵜呑みにせず、根拠を確かめ、前提や自分の思い込みを吟味しながら、論理的に結論を導く思考である。日本語では批判的思考と訳されるが、相手を批判することではなく、自分の判断が妥当かを問い直す姿勢を指す。看護では、収集した情報を既知の知識と照らして解釈し、なぜそう考えたのかを説明できる形で結論に至ることが求められる。これがアセスメントの質を決める。
選択肢ごとの確認
患者の希望を尊重することは看護の基本だが、思考過程の説明ではない。希望を無条件に受け入れるだけの態度では、安全性や実現可能性を吟味する段階が抜け落ちる。
批判的思考を『疑ってかかる』と誤解した内容である。クリティカルシンキングは相手を疑うことではなく、根拠を確かめることである。
個人の価値観を判断の基準にすることは、むしろクリティカルシンキングが排除しようとする偏りである。判断の根拠は客観的な情報と知識に置く。
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混同しやすいポイント
『批判的』という訳語に引きずられて肢2を選びやすい。批判の対象は相手ではなく自分の推論である。また肢4のように『看護観に基づく』という一見専門的な表現も、根拠を主観に置いている点で誤りになる。
理解を深める
クリティカルシンキングの要素には、情報の正確さの確認、前提の明確化、複数の可能性の検討、根拠と結論の関係の吟味、自分の思考への省察(メタ認知)がある。看護過程のアセスメント段階で特に重要になり、同じ情報から複数の解釈が成り立つときに、どれがより妥当かを根拠で選ぶ力になる。臨床推論と近い概念だが、臨床推論は病態の推定に焦点があるのに対し、クリティカルシンキングはより広く思考の質を扱う。教育場面では、事例検討やリフレクション(振り返り)を通じて育成される。
間違えやすい考え方
『適切なのはどれか』型で、誤肢が概念の誤解(批判=否定)と、主観への依拠で作られている。定義を『根拠に基づいて吟味する』と一文で持っておく。
5分で振り返る
①根拠を確かめ前提を吟味する思考。②『批判的』は相手への否定ではなく自分の推論の吟味。③主観や個人の価値観を判断基準にしない。④アセスメントの質を決める。⑤要素は情報の確認・前提の明確化・複数の可能性・省察。
1分チェック
- クリティカルシンキングとは何か。→ 根拠に基づいて情報を解釈し吟味する思考。
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