入院中のA さん(43 歳、男性)は cerebral infarction 脳梗塞による利き手の片麻痺がある。 食事の自助具を選択することを目的に、看護師が連携する病院内の専門職で優先 度が高いのはどれか。
公式正答:2
解説
片麻痺のある患者の食事の自助具を選択する目的で連携する専門職を問う。作業療法士である。
この問題で問われていること
リハビリテーションに関わる職種の役割分担を区別できるか。
しくみから理解する
作業療法士は、日常生活動作、家事、仕事、趣味などの作業活動を通じて、応用的動作能力と社会適応能力の回復を図る専門職である。食事、更衣、整容といった上肢を用いる日常生活動作の訓練と、それを助ける自助具の選定・製作・調整はその中核的な業務にあたる。片麻痺で利き手が使えない場合、太柄のスプーン、曲がるスプーン、滑り止めマット、すくいやすい皿、万能カフなどの中から、その人の残存機能に合うものを選ぶ。利き手交換の訓練も作業療法士が担う。
選択肢ごとの確認
義肢(義手・義足)と装具の製作・適合を行う専門職である。装具は関節の固定や変形の矯正を目的とし、食事の自助具は業務範囲ではない。
生命維持管理装置(人工呼吸器、人工透析装置、人工心肺など)の操作と保守点検を行う。医療機器の専門職であり、自助具の選定は担当しない。
経済的問題、社会復帰、退院後の生活調整、制度の利用などの相談援助を行う。自助具の選定という技術的な業務ではない。
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混同しやすいポイント
理学療法士と作業療法士の区別が最も問われる。理学療法士は基本的動作能力(起き上がる、座る、立つ、歩く)の回復を担い、作業療法士は応用的動作能力(食事、更衣、家事など)と社会適応能力を担う。『歩く=PT、生活動作=OT』と大づかみに覚え、言語聴覚士は言語・嚥下と対応させる。
理解を深める
自助具の選定では、本人の残存機能、認知機能、意欲、生活環境、経済的負担を総合して決める。試用してもらい、実際の食事場面で使えるかを確認することが重要で、選んで渡すだけでは使われないことが多い。看護師は、病棟での食事場面を最もよく観察できる立場にあるため、使いにくさや疲労、姿勢の崩れといった情報を作業療法士へ伝える役割を担う。また、自助具を使えば自分で食べられる人に全介助を行うと、その能力を失わせることになるため、リハビリテーションで獲得した動作を病棟の生活で継続することが重要になる。
間違えやすい考え方
職種名を並べる型で、それぞれの業務範囲を知らないと選べない。国家資格の職種は業務が法律で規定されているため、対応を覚える。
5分で振り返る
①作業療法士=応用的動作(食事・更衣・家事)と社会適応、自助具の選定。②理学療法士=基本的動作(起坐・立位・歩行)。③言語聴覚士=言語・聴覚・嚥下。④義肢装具士=義肢と装具の製作適合。⑤臨床工学技士=生命維持管理装置。⑥MSW=相談援助と生活調整。
1分チェック
- 食事の自助具の選定は誰が担うか。→ 作業療法士。
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