口すぼめ呼吸によって生じるのはどれか。
公式正答:1
解説
口すぼめ呼吸によって生じるものを問う。気道内圧の上昇である。
この問題で問われていること
COPDで口すぼめ呼吸が有効な理由を、気道の力学から説明できるか。
しくみから理解する
COPDでは肺胞の破壊により肺の弾性収縮力が低下し、末梢気道を外から引っ張って開いておく力が弱まる。このため呼気時に胸腔内圧が上がると末梢気道が虚脱し、空気が閉じ込められて(エアトラッピング)残気量が増える。口をすぼめて呼気に抵抗をかけると、気道内圧が高く保たれる。内側からの圧が外側からの圧を上回るため、末梢気道の虚脱が防がれ、閉じ込められていた空気を吐き出せるようになる。結果として1回換気量が増え、呼吸数は減り、呼吸の効率が改善する。
選択肢ごとの確認
逆である。1回で吐ける量が増えるため呼吸回数は減少する。ゆっくり長く吐くことが指導内容でもある。
逆で、閉塞(虚脱)を防ぐために行う。この誤肢は口すぼめ呼吸の目的そのものを反転させたものである。
逆で、1回換気量は増加する。エアトラッピングが減り、有効な換気が増えるためである。
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混同しやすいポイント
誤肢3つがすべて正答の裏返しになっている。『気道内圧を上げて気道を開く』という一つの機序を理解していれば、残り3つは自動的に落とせる。指導のポイントとしては、鼻から2秒吸って、口をすぼめて4〜6秒かけて吐く、という呼気を吸気の2倍以上にする点を押さえる。
理解を深める
COPDの呼吸リハビリテーションでは、口すぼめ呼吸に加えて腹式呼吸(横隔膜呼吸)を組み合わせる。COPDでは肺の過膨張により横隔膜が平低化して働きにくくなり、頸部や肩の呼吸補助筋を使う努力呼吸になるため、エネルギー消費が増える。腹式呼吸で横隔膜を使えるようにすると呼吸仕事量が減る。また動作と呼吸を合わせる指導(力を入れるときに息を吐く)、上肢を挙上する動作を避けるまたは工夫すること、栄養管理(呼吸筋の維持のため十分なエネルギーとタンパク質、一度に多く食べると横隔膜が圧迫されるため分割食)、感染予防(ワクチン接種)が包括的なプログラムを構成する。
間違えやすい考え方
機序を問う型で、誤肢が正答の逆で作られている。『何のために行うのか』を押さえていれば迷わない。
5分で振り返る
①COPDでは呼気時に末梢気道が虚脱しエアトラッピングが起こる。②口すぼめ呼吸で気道内圧を高く保ち虚脱を防ぐ。③1回換気量は増え呼吸数は減る。④呼気は吸気の2倍以上の時間をかける。⑤腹式呼吸と組み合わせる。⑥動作時は力を入れるときに吐く。
1分チェック
- 口すぼめ呼吸は何を起こすか。→ 気道内圧の上昇(末梢気道の虚脱を防ぐ)。
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