bladder cancer 膀胱癌で手術療法を予定している成人で、緊急の対応が必要な症状はどれか。
公式正答:2
解説
膀胱癌で手術療法を予定している成人で、緊急の対応が必要な症状を問う。尿閉である。
この問題で問われていること
排尿に関する症状の中から、緊急性の高いものを選別できるか。
しくみから理解する
尿閉は、膀胱に尿が貯留しているにもかかわらず排出できない状態である。膀胱内圧が上昇し、強い下腹部痛と苦痛を生じるだけでなく、圧が尿管を経て腎へ及ぶと水腎症、さらに腎後性の急性腎障害を招く。膀胱癌では、腫瘍そのものによる閉塞や、腫瘍からの出血が凝血塊となって尿道を塞ぐ(凝血塊タンポナーデ)ことで尿閉が起こる。放置すれば腎機能が損なわれるため、導尿やカテーテル留置、膀胱洗浄による速やかな解除が必要になる。
選択肢ごとの確認
排尿後にすっきりしない感覚で、膀胱刺激症状の一つ。不快ではあるが緊急性はない。
排尿時の痛みで、膀胱炎や腫瘍の刺激で生じる。原因の評価は必要だが直ちに生命や臓器を脅かすものではない。
排尿回数が増える症状で、膀胱容量の減少や刺激症状による。これも緊急対応の対象ではない。
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混同しやすいポイント
尿閉と無尿の区別が重要である。尿閉は膀胱に尿があるのに出せない(下腹部が膨隆し、超音波や触診で確認できる)。無尿は腎で尿が作られていない(膀胱は空)。対応は前者が導尿、後者が原因検索と全身管理であり、まったく異なる。この鑑別を誤ると必要な処置が遅れる。
理解を深める
膀胱癌の主症状は無症候性肉眼的血尿で、痛みを伴わないため受診が遅れやすい。喫煙が最大の危険因子で、ほかに芳香族アミンへの職業性曝露が知られている。診断は膀胱鏡と尿細胞診、画像検査による。治療は、筋層非浸潤癌では経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)と、再発予防のBCG膀胱内注入療法、筋層浸潤癌では膀胱全摘除術と尿路変向(回腸導管、自排尿型新膀胱、尿管皮膚瘻)が行われる。尿路変向を伴う場合は、ストーマケアや自己導尿の指導、ボディイメージの変化への支援が術後看護の中心になる。
間違えやすい考え方
『緊急の対応が必要な症状』を問う型で、4肢すべてが実際にみられる症状である。臓器障害に進むかどうかで選別する。
5分で振り返る
①尿閉=膀胱に尿があるが出せない。膀胱内圧上昇→水腎症→腎後性腎障害。②膀胱癌では凝血塊による閉塞が起こりうる。③対応は導尿・カテーテル留置・膀胱洗浄。④無尿は腎で尿が作られない状態で対応が異なる。⑤膀胱癌の主症状は無症候性肉眼的血尿、危険因子は喫煙。
1分チェック
- 膀胱癌で緊急性が高い症状は何か。→ 尿閉。
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