pruritus senilis 老人性皮膚搔痒症の特徴はどれか。
公式正答:2
解説
老人性皮膚搔痒症の特徴を問う。症状の範囲は全身性であることである。
この問題で問われていること
加齢に伴う皮膚の変化から、症状の分布と性状を導けるか。
しくみから理解する
加齢により皮脂腺と汗腺の機能が低下し、角層の水分保持能(天然保湿因子、細胞間脂質)も減少する。その結果、皮膚は全身にわたって乾燥し、バリア機能が低下して外的刺激やわずかな刺激で痒みを感じやすくなる。原因が全身の皮膚の変化であるため、症状も特定の部位に限らず全身性に現れる。とくに皮脂腺の少ない下腿前面、腰背部、側腹部で目立ちやすい。冬季に悪化することが多い。
選択肢ごとの確認
水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化で生じるのは帯状疱疹である。神経の走行に沿った片側性・帯状の疼痛と水疱が特徴で、分布も病態も異なる。
原因物質の除去が治療となるのは接触皮膚炎である。老人性皮膚搔痒症は皮膚の乾燥が基盤であるため、保湿が治療の中心になる。
明らかな皮疹を伴わない、あるいは掻破による二次的な変化(掻破痕、湿疹化、苔癬化)がみられるのが特徴である。原発疹としての紅斑性丘疹が主体ではない。
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混同しやすいポイント
『皮疹がないのに痒い』のが老人性皮膚搔痒症の特徴である。ただし全身の強い痒みは、腎不全、肝胆道疾患(胆汁うっ滞)、甲状腺機能異常、悪性リンパ腫、糖尿病、薬剤性でも生じるため、加齢のせいと決めつけず、これらを除外する視点が要る。
理解を深める
看護としては、まず皮膚の乾燥を防ぐ生活指導が中心になる。入浴は湯温をぬるめ(38〜40℃程度)にし、長湯を避ける。ナイロンタオルでこすらず、石鹸は弱酸性のものを泡立てて手で洗う。入浴後は水分を軽く押さえるように拭き、直後(できれば5分以内)に保湿剤を塗布する。室内の湿度を保ち、肌着は木綿など刺激の少ない素材を選び、爪を短く切って掻破による損傷を防ぐ。掻くことで痒みが増す悪循環(itch-scratch cycle)を断つことが要点である。かゆみで眠れないことは生活の質を大きく損なうため、症状を軽視しないことも大切である。
間違えやすい考え方
『特徴はどれか』型で、誤肢が別の皮膚疾患(帯状疱疹、接触皮膚炎、湿疹)の特徴で構成されている。病態(乾燥)から分布と皮疹の有無を導く。
5分で振り返る
①加齢で皮脂・汗・角層水分が減りバリア機能が低下→全身の乾燥と痒み。②明らかな原発疹を伴わない。③下腿前面・腰背部に目立ち冬季に悪化。④治療の中心は保湿。⑤入浴はぬるめ・こすらない・直後に保湿。⑥全身の痒みは腎不全・胆汁うっ滞なども鑑別する。
1分チェック
- 老人性皮膚搔痒症の分布はどうなるか。→ 全身性。
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