経産道感染するのはどれか。
公式正答:3
解説
経産道感染するものを問う。B群溶血性レンサ球菌である。
この問題で問われていること
母子感染の経路(経胎盤・経産道・母乳)を病原体ごとに区別できるか。
しくみから理解する
B群溶血性レンサ球菌(GBS)は、妊婦の腟や直腸に常在することがある細菌で、分娩時に児が産道を通過する際に感染する。新生児GBS感染症は、生後1週未満に発症する早発型では敗血症、肺炎、髄膜炎を起こし、致死率が高い。予防のため、妊娠35〜37週頃に腟・肛門のスクリーニング培養を行い、陽性であれば分娩時に抗菌薬(ペニシリン系)を経静脈的に投与する。これにより児への伝播が大きく減少する。
選択肢ごとの確認
経胎盤感染である。妊娠中の初感染により原虫が胎盤を通過し、水頭症、脳内石灰化、網脈絡膜炎などを起こす。予防は生肉を避ける、猫の糞に触れない、土いじりの後の手洗いといった生活上の注意である。
パルボウイルスB19(伝染性紅斑の原因)は経胎盤感染し、胎児貧血から胎児水腫、胎児死亡を起こしうる。産道での感染ではない。
HTLV-1は主に母乳を介して感染する。母子感染予防では完全人工栄養が最も確立した選択肢である。短期母乳(原則90日以内)や凍結解凍母乳は感染リスク低減の可能性とエビデンスの限界を説明し、地域の専門体制で本人の意思決定を支える。
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混同しやすいポイント
母子感染の3経路を病原体ごとに整理する。経胎盤(TORCH:トキソプラズマ、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、梅毒、パルボウイルスB19)、経産道(B群溶血性レンサ球菌、B型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、淋菌、クラミジア、HIV)、母乳(HTLV-1、HIV、サイトメガロウイルス)。単純ヘルペスやサイトメガロウイルスのように複数の経路をとるものもある。
理解を深める
妊娠中の感染症スクリーニングは、母子健康手帳に記録される標準的な検査項目に含まれる。梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1、風疹抗体価、クラミジア、GBSなどが対象で、それぞれ陽性の場合の対応が定められている。B型肝炎では出生直後にHBワクチンとHBIGを投与することで母子感染をほぼ防げる。HIVでは抗ウイルス療法、選択的帝王切開、断乳により感染率を大きく下げられる。風疹抗体価が低い場合は産後にワクチンを接種する(妊娠中は接種できない)。看護師は、検査の意味を説明し、陽性であった場合の心理的動揺に配慮しながら、予防の手立てがあることを伝える役割を担う。
間違えやすい考え方
感染経路を問う型で、4肢すべてが母子感染に関わる病原体である。経路ごとに束ねて覚えていないと選べない。
5分で振り返る
①GBSは産道で感染、妊娠35〜37週にスクリーニング、陽性なら分娩時に抗菌薬。②経胎盤=トキソプラズマ・風疹・CMV・梅毒・パルボB19。③経産道=GBS・HBV・HSV・淋菌・クラミジア・HIV。④母乳=HTLV-1・HIV。⑤HBVは出生直後のワクチンとHBIGで予防できる。
1分チェック
- 経産道感染するのは何か。→ B群溶血性レンサ球菌(GBS)。
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