stagnation mastitis うっ滞性乳腺炎について正しいのはどれか。
公式正答:1
解説
うっ滞性乳腺炎について正しいものを問う。授乳を継続することである。
この問題で問われていること
乳腺炎の病態から、対応の方向を導けるか。
しくみから理解する
うっ滞性乳腺炎は、乳汁が乳管内に滞ることで乳房が緊満し、発赤、熱感、疼痛、しこりを生じる状態である。原因は乳汁の排出不足であるから、対応は乳汁を出すことになる。授乳は児の必要に応じて継続するが、乳房を空にする目的の過剰な授乳・搾乳は避ける。深いマッサージや強い圧迫、強い加温は炎症と浮腫を悪化させうるため行わず、冷罨法、鎮痛、優しいリンパ流促進、適切な吸着の支援を行う。授乳を中止すると乳汁がさらに滞り、悪化して化膿性乳腺炎へ移行する危険がある。
選択肢ごとの確認
乳房の緊満、疼痛、熱感、しこりといった明らかな自覚症状を伴う。発熱や悪寒を生じることもある。
うっ滞性乳腺炎は乳汁のうっ滞による非感染性の炎症である。細菌感染を伴うものは化膿性(感染性)乳腺炎で、これは乳頭の亀裂などから細菌が侵入して起こり、抗菌薬による治療を要する。
産褥2〜4日頃、乳汁分泌が急激に増加する時期に多い。分娩直後は初乳の分泌量が少なくうっ滞は起こりにくい。
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混同しやすいポイント
うっ滞性と化膿性の区別が要点である。うっ滞性は非感染性で授乳継続が基本、化膿性は感染性で抗菌薬が必要になる。ただし化膿性の場合も、膿瘍を形成していなければ授乳は継続できることが多い(乳汁を排出したほうが治りが早い)。『炎症=授乳中止』という短絡が最も避けたい誤りである。
理解を深める
乳汁分泌は、吸啜刺激によりプロラクチン(乳汁産生)とオキシトシン(射乳)が分泌されることで維持される。したがって、児の必要に応じた生理的な授乳が分泌の確立と維持に重要である。乳房を空にするための過剰な授乳・搾乳は避ける。乳房トラブルの予防には、出生直後からの早期授乳、適切な吸着(ラッチオン。乳輪まで深くくわえさせる)、授乳姿勢の工夫、乳頭の清潔と保護がある。浅い吸着は乳頭亀裂と排乳不足の両方を招くため、授乳の観察と支援は産褥期の看護の中心になる。乳頭痛が強いと授乳が苦痛になり母乳育児の中断につながるため、痛みを我慢させない姿勢が大切である。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が症状の有無、原因、時期という3つの軸で誤りを作っている。病態(うっ滞)から対応(排出)を導けば確実。
5分で振り返る
①うっ滞性乳腺炎=乳汁のうっ滞による非感染性の炎症。②授乳は児の必要に応じて継続するが過剰な排乳を避ける。深いマッサージや強い加温は行わず、冷罨法、鎮痛、吸着支援を用いる。③産褥2〜4日頃に多い。④化膿性乳腺炎は感染性で抗菌薬が必要。⑤授乳の中止は悪化を招く。⑥予防は早期授乳と適切な吸着。
1分チェック
- うっ滞性乳腺炎で授乳はどうするか。→ 継続する(むしろ頻回に)。
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