superior vena cava syndrome 上大静脈症候群の症状はどれか。
公式正答:4
解説
上大静脈症候群の症状を問う。顔面浮腫である。
この問題で問われていること
血管の閉塞部位から、どこにうっ血が生じるかを解剖学的に導けるか。
しくみから理解する
上大静脈は、頭頸部と上肢からの静脈血を集めて右心房へ運ぶ。腫瘍(多くは肺癌、とくに右上葉の腫瘍や縦隔リンパ節転移、悪性リンパ腫)による外部からの圧迫や、血栓による閉塞が起こると、上流にあたる頭頸部と上肢の静脈血が心臓へ戻れず、うっ滞する。その結果、顔面・頸部・上肢の浮腫、結膜の充血、頸静脈の怒張、前胸部の側副血行路の怒張が生じる。臥位や前屈で悪化し、進行すると気道浮腫による呼吸困難や脳浮腫による頭痛・意識障害をきたす。
選択肢ごとの確認
気道からの出血で、肺結核、気管支拡張症、肺癌などでみられる。上大静脈の閉塞そのものによる症状ではない。
上大静脈症候群では上肢の浮腫と重だるさは生じるが、痛みが主症状ではない。上腕の痛みは、腕神経叢浸潤(Pancoast腫瘍)や頸椎症などを考える。
交感神経の障害によるHorner症候群(縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下)の症状で、肺尖部腫瘍(Pancoast腫瘍)による星状神経節の浸潤で生じる。静脈のうっ滞とは機序が異なる。
胸膜播種、心不全、低アルブミン血症などで生じる。上大静脈の閉塞では、静脈還流の障害は主に頭頸部と上肢に現れる。
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混同しやすいポイント
肺癌に関連する症候群を混同しやすい。上大静脈症候群は顔面・上肢の浮腫と静脈怒張、Pancoast症候群は肩・上肢の痛みとHorner症候群、SIADHは低ナトリウム血症、高カルシウム血症は口渇・意識障害、と別々に整理する。いずれも肺癌でみられるが機序が異なる。
理解を深める
上大静脈症候群は腫瘍緊急症(oncologic emergency)の一つで、気道閉塞や意識障害をきたせば緊急の対応を要する。治療は、原因となる腫瘍への放射線治療や化学療法、ステント留置、ステロイドや利尿薬による対症療法である。看護では、上半身を挙上した体位(ファウラー位)をとって静脈還流を助け、上肢での血圧測定や静脈路確保を避ける(うっ滞側で行うと薬剤の到達が遅れ、また浮腫を悪化させる)ことが重要になる。輸液は下肢から行う。頸部を締める衣類を避け、呼吸状態と意識レベル、浮腫の程度を継続的に観察する。
間違えやすい考え方
症状を問う型で、誤肢が同じ肺癌に関連する他の症候で構成されている。閉塞部位から『どこがうっ滞するか』を解剖で考えれば一択になる。
5分で振り返る
①上大静脈が閉塞→頭頸部と上肢がうっ滞。②顔面浮腫・結膜充血・頸静脈怒張・前胸部の側副血行路。③臥位や前屈で悪化。④腫瘍緊急症で気道浮腫・脳浮腫に注意。⑤看護は上半身挙上、上肢での血圧測定と静脈路確保を避ける。⑥Pancoast症候群はHorner症候群と上肢痛。
1分チェック
- 上大静脈症候群の症状は何か。→ 顔面・頸部・上肢の浮腫と静脈怒張。
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