acute renal failure 急性腎不全の症状について正しいのはどれか。
公式正答:2
解説
急性腎不全の症状について正しいものを問う。頻呼吸である。
この問題で問われていること
腎機能の急激な低下が全身にもたらす変化を、酸塩基平衡の観点から説明できるか。
しくみから理解する
腎臓は、不揮発性酸(硫酸、リン酸など)を尿中へ排泄し、重炭酸イオンを再吸収することで血液のpHを保っている。急性腎不全ではこの機能が失われ、酸が体内に蓄積して代謝性アシドーシスとなる。血液が酸性に傾くと、呼吸中枢が刺激されて換気が増える。二酸化炭素(揮発性酸)を多く吐き出すことでpHを戻そうとする呼吸性代償であり、これが頻呼吸として現れる。深く速い呼吸(クスマウル呼吸)となることもある。
選択肢ごとの確認
慢性腎不全に伴う長期の透析では、アミロイド沈着による透析アミロイドーシスや、二次性副甲状腺機能亢進症による骨関節症状が生じうるが、急性腎不全の症状ではない。
逆で、食欲は低下する。尿毒素の蓄積により悪心・嘔吐・食欲不振が生じる。
糖尿病網膜症や高血圧性網膜症でみられる症状で、急性腎不全に直接由来するものではない。
むずむず脚症候群は慢性腎不全(とくに透析患者)や鉄欠乏で頻度が高い症状であり、急性腎不全の症状としては挙げられない。
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混同しやすいポイント
急性と慢性の症状を混同しやすい。急性腎不全では、乏尿・無尿、体液貯留(浮腫、肺水腫)、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、尿毒症症状(悪心、意識障害)が短期間に現れる。慢性腎不全では、貧血、骨ミネラル代謝異常、皮膚掻痒、むずむず脚、透析アミロイドーシスといった長い経過で生じる変化が加わる。
理解を深める
急性腎障害(AKI)は、血清クレアチニンの上昇または尿量の減少で定義され、原因は腎前性・腎性・腎後性に分けられる。最も緊急性が高い合併症は高カリウム血症で、致死性不整脈を起こしうる。次いで、体液過剰による肺水腫と、重度のアシドーシスが緊急透析の適応となる。看護では、時間尿の正確な測定、体重の毎日測定、水分出納バランス、血圧、呼吸状態、意識レベル、電解質と血液ガスの推移を観察する。腎毒性のある薬剤(NSAIDs、アミノグリコシド、造影剤)の使用歴を確認することも重要で、造影剤使用前後の輸液による予防が行われる。
間違えやすい考え方
『正しいのはどれか』型で、誤肢が慢性腎不全の症状と、方向の逆(食欲増進)で構成されている。急性で何が起こるかを機序で押さえる。
5分で振り返る
①腎不全→酸が蓄積→代謝性アシドーシス→呼吸性代償で頻呼吸。②尿毒素で悪心・嘔吐・食欲不振。③最も緊急なのは高カリウム血症。④体液過剰で肺水腫。⑤むずむず脚・骨関節症状は慢性腎不全。⑥腎毒性薬剤の使用歴を確認する。
1分チェック
- 急性腎不全でみられる呼吸の変化は何か。→ 頻呼吸(代謝性アシドーシスの呼吸性代償)。
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