障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援 法〉における地域移行支援について正しいのはどれか。
公式正答:3
解説
障害者総合支援法における地域移行支援について正しいものを問う。長期入院患者の退院を促進することである。
この問題で問われていること
障害福祉サービスの種類と、それぞれの目的を区別できるか。
しくみから理解する
地域移行支援は、障害者支援施設に入所している人や精神科病院に長期入院している人に対し、住居の確保、地域生活へ移行するための活動に関する相談、外出への同行、体験宿泊などを行うサービスである。目的は、施設や病院から地域生活へ移ることを支えることにあり、精神科の長期入院患者の退院促進はその中心的な対象である。日本では精神病床の平均在院日数が長く、社会的入院の解消が長年の課題であったため、この仕組みが設けられた。
選択肢ごとの確認
就労を目的とするのは就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、就労定着支援である。地域移行支援は生活の場を地域へ移すことが目的で、就労は前提ではない。
これは地域定着支援の内容である。地域移行支援によって地域生活を始めた人などに対し、常時の連絡体制を確保し、緊急時に相談や訪問を行って地域生活の継続を支える。移行と定着は連続する別のサービスである。
手帳の所持は要件ではない。障害福祉サービスの利用は障害支援区分の認定などによるもので、精神障害者保健福祉手帳の有無とは別である。
対象は入所施設や病院にいる人である。すでに1人で暮らしている人を支えるのは地域定着支援にあたる。
もっと詳しく読む
混同しやすいポイント
『地域移行支援』と『地域定着支援』は名前が似ており、内容も連続しているため混同しやすい。移行は『施設・病院から地域へ出る』段階、定着は『地域で暮らし続ける』段階と、時間軸で分けて覚える。誤肢2と5はいずれも定着支援の説明になっている。
理解を深める
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が政策目標として掲げられ、住まい、医療、障害福祉・介護、社会参加、地域の助け合い、教育・普及啓発を一体的に整えることが目指されている。長期入院の背景には、症状ではなく住まいや受け入れ先がないという社会的な要因があることが多い。退院支援では、本人の希望を中心に、住居の確保(グループホーム、アパート)、経済的基盤(障害年金、生活保護)、日中活動の場、医療の継続(訪問看護、外来)、緊急時の体制を組み立てる。長期入院により生活技能が低下していることもあるため、段階的な外出・外泊、SST、ピアサポーターとの交流を通じて自信を取り戻す過程が重要になる。
間違えやすい考え方
サービス名と内容の対応を問う型で、誤肢に類似サービスの内容が並ぶ。名称の語(移行/定着/就労)から目的を導く。
5分で振り返る
①地域移行支援=施設・病院から地域へ移るための支援(住居確保、同行、体験宿泊)。②地域定着支援=地域生活の継続を支える(常時連絡、緊急時対応、訪問)。③就労系は就労移行・就労継続A型B型・就労定着。④手帳の所持は要件ではない。⑤背景に社会的入院の解消という課題がある。
1分チェック
- 地域移行支援の目的は何か。→ 施設入所者や長期入院患者の地域生活への移行(退院促進)。
この問題に対応する教材の確認中です。