varix of the lower extremity 下肢静脈瘤の危険因子はどれか。2 つ選べ。
公式正答:3・5
解説
下肢静脈瘤の危険因子を2つ選ぶ。高齢と妊娠である。
この問題で問われていること
静脈弁の機能不全が起こる条件を、圧と加齢の観点から理解しているか。
しくみから理解する
下肢の静脈は、逆流を防ぐ弁と、筋ポンプ作用によって血液を心臓へ戻している。この弁が壊れると血液が逆流して静脈内圧が上がり、静脈が拡張・蛇行して静脈瘤となる。加齢は弁と血管壁の変性を進めるため危険因子となる。妊娠では、増大した子宮が骨盤内の静脈を圧迫して還流を妨げ、加えて黄体ホルモンが静脈壁を弛緩させるため、静脈瘤が生じやすい。分娩後に軽快することも多いが、妊娠を重ねるごとに残りやすくなる。ほかに、立ち仕事、肥満、家族歴、女性であることが危険因子として知られる。
選択肢ごとの確認
外傷そのものが静脈瘤の主要な危険因子ではない。深部静脈血栓症の後に二次性の静脈瘤が生じることはあるが、これは血栓後症候群としての別の経路である。
動脈硬化性疾患(閉塞性動脈硬化症、虚血性心疾患)の主要な危険因子だが、静脈弁の機能不全との関連は確立していない。動脈疾患と静脈疾患の危険因子を混同しやすい。
術後の臥床は深部静脈血栓症の危険因子だが、表在静脈の静脈瘤の直接の原因ではない。
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混同しやすいポイント
動脈疾患と静脈疾患の危険因子を分けて覚える。動脈は喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった動脈硬化の因子。静脈は加齢、妊娠、立ち仕事、肥満、家族歴といった静脈圧と弁に関わる因子。設問では喫煙と手術という『いかにも危なそうな』語が誤肢に置かれている。
理解を深める
下肢静脈瘤の症状は、下肢の重だるさ、疲れやすさ、こむら返り、浮腫、かゆみで、夕方に増強し朝には軽快する。進行すると、うっ滞性皮膚炎、色素沈着、脂肪皮膚硬化症、うっ滞性潰瘍を生じる。保存的治療は弾性ストッキングによる圧迫療法と、下肢挙上、長時間の立位を避ける、足関節の運動といった生活指導である。根治的治療には血管内焼灼術(レーザー、高周波)、ストリッピング手術、硬化療法がある。弾性ストッキングは、朝の浮腫が少ないうちに装着し、しわを作らないこと、閉塞性動脈硬化症を合併している場合は虚血を招くため禁忌となることを押さえる。
間違えやすい考え方
『2つ選べ』の複数選択で、誤肢が動脈疾患や別の静脈病態の危険因子で構成されている。病態(弁の機能不全と静脈圧)から因子を導く。
5分で振り返る
①静脈弁の機能不全→逆流→静脈内圧上昇→拡張蛇行。②危険因子は加齢・妊娠・立ち仕事・肥満・家族歴・女性。③喫煙は動脈疾患の因子。④症状は夕方に増強、朝に軽快。⑤治療は弾性ストッキング、血管内焼灼術など。⑥閉塞性動脈硬化症の合併では圧迫療法は禁忌。
1分チェック
- 下肢静脈瘤の危険因子は何か。→ 高齢と妊娠(ほかに立ち仕事、肥満、家族歴)。
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