acute pancreatitis 急性膵炎で正しいのはどれか。2 つ選べ。
公式正答:2・5
解説
急性膵炎について正しいものを2つ選ぶ。初発症状が上腹部痛であること、重症度判定に造影CTが重要であることである。
この問題で問われていること
疾患の症状・診断・治療の全体像を把握しているか。
しくみから理解する
急性膵炎は、膵酵素が膵内で活性化されて自己消化を起こす疾患である。原因はアルコールと胆石が大半を占める。初発症状は上腹部(心窩部)の持続する強い痛みで、背部へ放散し、前屈位で軽減することが特徴である。悪心・嘔吐を伴う。重症例では膵の壊死や周囲への炎症の波及が起こり、造影CTによって膵の造影不良域(壊死)と炎症の広がりを評価することが重症度判定に不可欠となる。厚生労働省の重症度判定基準でも、造影CT Gradeが判定項目に含まれる。
選択肢ごとの確認
基本は保存的治療である。早期の経腸・経口栄養を病状に応じて開始し、乳酸リンゲル液などで中等度の目標指向型輸液を行い、疼痛を管理する。感染が証明・強く疑われる場合を除き予防的抗菌薬を routine に用いない。手術は感染性膵壊死などの合併症に限られる。胆石性で胆管炎を伴う場合は内視鏡的処置(ERCP、乳頭切開)が行われる。
逆で、疼痛管理は治療の重要な柱である。強い痛みは循環動態を悪化させ、呼吸も浅くする。適切な鎮痛薬(非オピオイド、必要ならオピオイド)を用いる。
逆で上昇する。ただしアミラーゼは発症後早期に上昇して比較的早く低下するため、リパーゼのほうが持続時間が長く特異度も高い。値の高さは重症度と相関しない点も重要である。
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混同しやすいポイント
『膵炎だから絶食』は正しいが、『だから手術』ではない点が要点である。また『膵酵素の値が高いほど重症』という誤解も多い。重症度は臓器障害の有無(予後因子)と造影CT Gradeで判定するのであって、酵素値ではない。
理解を深める
急性膵炎では、初期に循環動態を反復評価しながら中等度の目標指向型輸液を行う。過剰輸液は体液過剰を増やすため、心・腎機能を踏まえて調整する。膵周囲への体液の漏出(サードスペースへの移行)により循環血液量が減少し、ショックや急性腎障害を招くためである。合併症には、膵仮性囊胞、感染性膵壊死、ARDS、DIC、麻痺性イレウスがある。看護では、疼痛の評価と管理、絶飲食の維持と口渇への対応、輸液管理と尿量の確認、バイタルサインと呼吸状態の観察、腹部所見(腸蠕動音、腹部膨満)の評価を行う。回復期には低脂肪食から段階的に開始し、アルコール性であれば断酒の支援が再発予防の中心になる。慢性膵炎へ移行すると、膵の内外分泌機能が低下し、脂肪便と糖尿病を生じる。
間違えやすい考え方
『2つ選べ』の複数選択で、誤肢が治療方針と検査値の方向を逆にして作られている。保存的治療が基本という一点を押さえる。
5分で振り返る
①原因はアルコールと胆石が大半。②初発症状は持続する上腹部痛、背部へ放散、前屈位で軽減。③血中アミラーゼ・リパーゼは上昇、値と重症度は相関しない。④重症度判定は予後因子+造影CT Grade。⑤治療は早期栄養、循環評価に基づく中等度輸液、鎮痛が基本。過剰輸液と routine の絶飲食を避け、手術・処置は適応を選ぶ。⑥再発予防は断酒と低脂肪食。
1分チェック
- 急性膵炎の初発症状と重症度判定の要は何か。→ 上腹部痛と造影CT。
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