次の文を読み、問いに答えよ。Aさん(37歳、初産婦)は妊娠40週5日で妊娠経過は順調である。午前6時から15分おきの子宮収縮が始まり、午前9時から5~7分周期の陣痛がある。午前10時に入院し、入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍80/分、血圧134/86mmHg。子宮口3cm開大、未破水であった。
A さんの入院時のアセスメントとして正しいのはどれか。
公式正答:4
解説
妊娠40週5日で5〜7分周期の陣痛があり子宮口3cm開大で入院した初産婦のアセスメントを問う。正期産の時期であることである。
この問題で問われていること
分娩に関する用語の定義を数値で押さえているか。
しくみから理解する
正期産と呼ぶのは、妊娠37週ちょうどから41週6日までに分娩に至った場合である。この妊婦は40週5日であり、正期産の範囲にある。ちなみに22週0日から36週6日が早産、42週0日以降が過期産である。分娩の時期を正しく判断することは、児の成熟度と分娩管理の方針に関わる基本的な評価になる。
選択肢ごとの確認
体温36.9℃、脈拍80/分と正常範囲であり、未破水である。感染を示す所見はない。破水後は上行感染のリスクが高まるため、破水の有無は感染の評価に重要な情報になる。
前駆陣痛は不規則で、間隔が短くならず、強さも増さず、休息や体位変換で軽減するものである。この妊婦は午前6時に15分おきで始まった収縮が午前9時には5〜7分周期になっており、規則的で間隔が短くなっている。さらに子宮口が3cm開大しており、頸管の開大を伴う真の陣痛である。分娩は開始している。
分娩第1期は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期は全開大から児の娩出まで、第3期は児娩出から胎盤娩出までである。子宮口3cm開大はまだ第1期にあたる。
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混同しやすいポイント
陣痛の定義(規則的な子宮収縮が10分以内の間隔、または1時間に6回以上)と、前駆陣痛との違い、そして分娩の各期の区分を数値で覚えているかが問われる。とくに『子宮口が開いているかどうか』が、前駆陣痛と真の陣痛を分ける決定的な所見になる。
理解を深める
分娩の進行の評価には、陣痛の間隔・持続時間・強さ、子宮口の開大と展退、児頭の下降度(Station)、児頭の回旋、破水の有無を用いる。初産婦の分娩所要時間は平均12〜15時間程度、経産婦は5〜8時間程度とされる。分娩第1期は潜伏期(開大3cm程度まで、進行が緩やか)と活動期(それ以降、進行が速まる)に分けられる。この妊婦は入院時に潜伏期から活動期に移る時期にあたる。血圧134/86mmHgはやや高めであり、妊娠高血圧症候群の基準(140/90mmHg以上)には達しないが、分娩中の血圧は疼痛と努責で変動するため、継続的な測定が必要である。37歳の初産婦であることも、分娩遷延や妊娠高血圧症候群のリスクとして考慮する。
間違えやすい考え方
アセスメントを問う型で、複数の所見が示されている。用語の定義(正期産、前駆陣痛、分娩期)を数値で持っていないと判断できない。
5分で振り返る
①正期産=37週0日〜41週6日、早産=22週0日〜36週6日、過期産=42週0日以降。②陣痛=規則的で10分以内の間隔、または1時間に6回以上。③前駆陣痛は不規則で子宮口の開大を伴わない。④分娩第1期=陣痛開始〜全開大、第2期=全開大〜児娩出、第3期=児娩出〜胎盤娩出。⑤初産婦の所要時間は12〜15時間程度。
1分チェック
- 妊娠40週5日は何にあたるか。→ 正期産(37週0日〜41週6日)。
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